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Pay or Not

払うべきか、払わざるべきか。割に合うか、どうか。判断に迷う事や物のコストとリターンを計算します。

オタク趣味 - 払うべきか

近年、日本政府が「クールジャパン」を推進するなど「オタク」及びオタク市場が文化的、経済的側面から注目を浴びています。

新・オタク経済 3兆円市場の地殻大変動 (朝日新書)

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そのような状況の中、矢野経済研究所から、以下の調査が行われました。

www.yano.co.jp

詳細は矢野経済研究所の発表を参照ください。さらに踏み込んだ調査結果を参照するにはレポート購入が必要です。

本調査における「オタク」市場とは、一定数のコアユーザーを有するとみられ「オタクの聖地」である秋葉原等で扱われる
ことが比較的多いコンテンツや物販、サービス等を指す

オタク商品を売る立場の人にとってのオタク市場の価値は「儲かる」ということです。
一方のオタク商品の消費者はお金を払ってそれぞれの「満足」を得ています。

消費者としてはどうせお金を払うならより多くの満足を得たいものです。
この記事ではオタク趣味のコストとリターンについて考え、どのようにお金を払うのが良いかを考えてみます。

オタク趣味のコストとリターン

先ほどの調査結果を抜粋したものを以下に示します。

対象分野回答者数 (人)一人当たりの年間
平均消費金額(円)
一世帯当たりの
平均年収額2 (円)
お得度
アイドル 251 74,225 5,470 0.34
鉄道模型 86 49,721 6,932 0.50
コスプレ衣装 66 47,530 5,155 0.53
トイガン・サバイバルゲーム 86 30,230 5,502 0.83
プロレス 61 28,303 5,750 0.88
同人誌 183 27,436 4,887 0.91
フィギュア 146 25,299 5,626 0.99
プラモデル 115 25,075 5,652 1.00
アニメ 720 25,040 4,888 1.00
漫画 711 22,427 4,957 1.12
オンラインゲーム 238 22,102 5,044 1.13
アダルトゲーム 95 18,354 4,575 1.36
ドール 48 17,542 6,038 1.43
AV(アダルトビデオ・DVD) 95 17,108 5,159 1.46
恋愛ゲーム(アダルトゲーム除く) 98 15,565 4,945 1.61
ボーカロイド 77 15,427 5,120 1.62
ボーイズラブ 106 14,960 5,048 1.67
メイド・コスプレ関連サービス 41 13,162 5,106 1.90
ライトノベル 190 12,783 4,733 1.96

ここで「一人当たりの年間平均消費金額」に着目しますと、分野ごとに消費金額が異なる様子が見えますが、ここでは、どのオタクも同程度の満足を得ているものと仮定します。
そうすると「ライトノベル」は割安でお得、「鉄道」は割高となります。確かにそんな気がします。その前提で「一人当たりの年間平均消費金額」で中央値に当たる「アニメ」の金額を基準に「お得度」を計算しました。

いくら割安でお得だからといって「全員がライトノベルだけを消費すべき」というわけにはいきません。そこで、お得度を元にオタク消費戦略を検討しました。以下で提案します。

ビュッフェ(最適消費)戦略

ビュッフェで色々なものを食べると大きな満足感を得られますよね。これは経済学の効用関数の概念で説明することができます。

簡単に説明すると、肉が好きの人が肉料理を一口食べると大きな満足を得られますよね。でも、二口三口と食べ続けるうちにだんだんと飽きてきます。
どんなに好きなものでも一口、二口食べれば大体は満足できるもの。ですので、肉、魚、パスタ、ドルチェと少しずつ食べることで同じ量でもより大きな満足を得ることができます。

つまり、一つの分野のオタク趣味に消費を集中させるのではなく、少しずつ色々な分野に消費を分散させると大きな満足が得られるのではないでしょうか。

効用関数は分野や個人によって差がありますが、ここでは大まかに10%の金額で20%の満足を得られるものと考えます。アニメに25,000円で得られる満足を1.0とすると、ライトノベルに2,500円払うと0.39の満足が得られることになります。
同様に漫画より下に記載された10分野に10分の1ずつ払って得られる満足を合計すると3.05となります。アニメ一本に集中して消費する場合に比べ、分散した方が約3倍の満足が得られるというわけです。

この辺の話についてもっと知りたい場合は「最適消費」で検索してみてください。

たいへん大雑把な計算ですので3倍という数字に意味はないのですが、分散して消費する「オタクビュッフェ戦略」が大変効率が良いことには納得できるのではないでしょうか。
特に近年は「フリー戦略」の普及によりマンガやアニメの無料公開やゲームの基本プレイ無料など浅い消費ならほとんど無料ですませられます。
そもそも、私たちのお金の使い方としては、すでに直感的に実践していますよね。もっと意識的にこれを心がけることでより効果的なオタク消費が実現できます。

グリコ(一石二鳥)戦略

グリコと言えば「一粒で二度おいしい」ですよね。
グリコを買うとキャラメルとおまけ(おもちゃ)がついてきます。このおまけを収集するオタクも存在します。

つまり、オタク消費(一石)で複数のオタク趣味の効用(二鳥)を狙うわけです。
例えば、「トイガン・サバイバルゲーム」で買ったものを「コスプレ衣装」に転用する。「アイドル」の追っかけの移動で「鉄道」趣味を満たす。

これも多くの人がすでに実践していることですが、より意識的に狙うとよいでしょう。

「広く浅く」はオタクなのか

ここまでの二つの戦略を見てみると「広く浅く」という印象があります。
この広く浅く消費する人って本当にオタクなのでしょうか。

「賢い消費者」ではあっても文化的な意味での「オタク」ではなさそうです。
売る側から見ると「財布の紐の硬い人」であって、ターゲットである一つの分野に大きな金額を注ぎ込んでくれる「オタク」でもありません。

所得の多い人が鉄道趣味に多額を注ぎ込んで鉄道文化や鉄道産業に貢献するのは大変良いことでしょう。
しかし、そうでない人までがそのような責任を背負う必要はありません。
ビュッフェ戦略で賢く消費すれば良いと思います。

シェア(共同購入)戦略

同じ趣味の人で共同購入してシェアすることで消費金額を抑える戦略です。

兄弟でお小遣いを出し合ってコミックやゲームを買った経験はないでしょうか。

基本的には同居してないと制限が多いと思います。アニメ見放題のアカウントの他人と使い回しは規約違反になったりします。

別の場所に住んでいるのを逆手にとって同じ趣味の人同士で家に泊めあったりというのも良いかもしれません。

好循環戦略

前に、出世を目指すべきという記事を書きました。

payornot.hateblo.jp

出世には能力と人脈が必要です。この戦略はオタク消費を能力と人脈の向上に役立てようという戦略です。

例として「釣りバカ日誌」は共通の趣味である釣りを通じた平社員と社長の交流が描かれた物語です。物語の中では能力や人脈による収入向上を目的に釣りをやっているわけではありませんが、結果的に人脈が広がり仕事で成功をおさめたりします。
また、オンラインゲームで組織・人材管理スキルを向上した話、同人誌作りで経営戦略スキルを向上した話などが存在します。

難しい戦略ですがうまくいけば向上した収入を使ってオタク趣味の幅を広げたり深めたりでき、それをまた収入向上につなげてと好循環が出来上がります。

まとめ

単純にオタク趣味への支出を増やしてもそれに見合う満足が得られるとは限りません。
オタク趣味に支出して満足を得るという活動の効率をあげるには、

  • 満足をそのままに支出を減らす
  • 支出をそのままに満足を増やす
  • そもそもの収入を増やす

のいずれかを狙うことになります。
それぞれ誰もが無意識にやっていることではありますが意識して狙うことでより効率が向上できるのではないでしょうか。

他人から見ると理解できないほど支出していてこそオタクであり、例え効率が悪いとしてもそういう生き方も否定できるものではないという気もします。

この記事の結論としては、無理のない支出の範囲では個人の自由。ただし、効率の良い消費の仕方はある。ということにしておきます。