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Pay or Not

払うべきか、払わざるべきか。割に合うか、どうか。判断に迷う事や物のコストとリターンを計算します。

買うべきか - 購買行動モデルの統一理論

本ブログでは、これまで様々な物やサービスについて「買うべきか」考えてきました。その考え方の基本は以前示した通り、コストとリターンで考えるというものです。 

payornot.hateblo.jp

 

しかし、人が実際にコストとリターンを考えて買うかといえば必ずしもそうではありません。それらを実際に算出するのは面倒で大変な行為です。

従来の購買行動モデル

消費者の購買行動については経営学や広告業者の研究対象となっており有名なモデル・法則があります。

AIDMA - Wikipedia

  • Attention(注意)
  • Interest(関心)
  • Desire(欲求)
  • Memory(記憶)
  • Action(行動)

これと同じようなモデル・法則としてAIDAやAISASなども知られています。これらのモデル・法則の説明を聞くとなんとなく合っているような気もするし、何か足りないような気もします。

従来モデルの限界

これらのモデルは全てAttention(注意)から始まっているのですが、それって衝動買いのケースに思えますがそれで全ての購買行動が説明できるわけはありません。特定の条件下でのみ正しいモデルであると言えます。

そこで、より広範な条件でも正しい(説明がつく)法則・モデルを考えてみようというのが今回の記事です。

結論から書きます。

統一された購買行動モデル

  1. 意識
  2. 探索
  3. 注意
  4. 興味
  5. 推薦
  6. 欲求
  7. 理解
  8. 評価
  9. 購入

長いですね。分かりにくいし覚えにくいです。しかし、真実は必ずしも分かりやすいものとは限りません。

以下、加湿空気清浄機を買う場合の例で説明します。

購買行動の例

意識

例えば「部屋の空気が乾燥していて、ほこりっぽい」などの問題意識がある状態です。または、「部屋にいると喉が痛い、やけにくしゃみが出る」かもしれません。
問題意識から出発する場合を「問題解決ルート」と呼びます。

探索

問題意識がある場合、これを解決するための手段を探索することになります。
ここでは信頼のできる情報源に当たります。例えば友人に相談してみたり、ネットのサイトやブログ、書籍などを参照します。場合によっては、積極的に探すわけではなく何となくテレビを見たりするという行動も含まれます。

例えば、「喉が痛いのは空気が乾燥しているから。加湿器を使うと良い」、「くしゃみをするのはほこりやアレルゲンがあるから。空気清浄機を使うと良い」といった情報を得ます。

注意

問題意識から出発していない場合はここからになります。「衝動ルート」と呼びます。
ここで何らかの商品と広告や店頭陳列を通じて出会います。広告や陳列される商品は膨大です。その中から目に入った商品を刺激として受け取ります。

無数の商品から空気清浄機らしきものを探すなかで無意識に心に引っかかる商品が出てきます。その引っかかりは色、形、大きさ、音などの要素だったりします。

興味

商品の概要を意識し、興味を持った段階です、直感的に好ましいと感じたり、権威によるものであったり、問題を解決できるものと直感で判断したり様々ですが、この時点では理屈としての理解はできていない状態です。

この時点で無意で感情的に購買の意思が決まっているという説もあります。

推薦

他者からの推薦によって買う場合はここからになります。「推薦ルート」と呼びます。
友人や有名人(広告)、学者などの権威による推薦を受けて商品を認知した状態です。

欲求

その商品を欲しいと感じている状態です。
もし欲しいと感じてない場合はルートから外れます。

理解

商品の詳細な情報つまり価格や大きさ、形、重さ、音や機能、消費電力や付属品、ランニングコストなどを理屈として理解している状況です。

評価

理解した情報をもとに、

  • その商品が自分の問題を解決できるか
  • 価格やその他のコストが妥当か
  • 買っても置き場所に困らないか
  • デザインは好ましいか

様々な要素で評価を行い「買うべきかどうか」を判断します。

購入

買うべきとの判断によって実際に購入する段階です。

購入決定の要素

人が物を買う決定をする要素は以下の3つと考えられます。

  • 合理性
  • 感情
  • 権威

それぞれ詳細に見ていきます。

合理性

事実や原理によって導かれる論理から合理的な判断がなされます。

  • 問題を解決出来る
  • コストが回収できる
  • リスクが許容範囲である

感情

合理性抜きで、とにかく欲しいと感じるかどうかです。無意識的に1秒以内で決まるとも言われます。

  • かわいい
  • お腹が空いているから
  • 性的魅力を感じる

押し売りにあった人が物を買う心理は「とにかく心理的圧迫から逃れたい」ということで買うそうです。

権威

これも理屈抜きです。合理性を自分で検討するのは大変ですので、他人の意見や評判に頼るのです。

  • 学者や専門家が良いというのであればきっと良いのだろう
  • ファンであるあの人が愛用しているみたいだから自分も買いたい
  • 友達が皆買っているので自分も買わなきゃいけない気がする

まとめ

感情や権威の力で買う時には理屈抜きかというとそういうわけでもないのです。
後から合理性をでっち上げると言われます。

買って後悔する気持ちを押し殺して「いや、買って良かったんだ」と思い込もうとした経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
それ以前に感情的に買いたい気持ちが先に立って、適当な理屈をつけて買うこともあるでしょう。

このような傾向は人間としてある程度しょうがないのですが、無用な買い物はしないに越したことはありません。買いたい衝動を理性の力で抑えられれば無駄な出費を抑えられます。

コストとリターンについて考えるのは大変です。そこでこのブログです。
商品についての論理的側面から考察をしていますので正しい判断をするお役に立てればと思います。

 

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消費者行動論―購買心理からニューロマーケティングまで

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